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離婚する理由は、人によって実に様々です。時間の経過とともに刺激や愛情が薄れていくのは当然といえば当然ですし、一度関係がもつれてしまうと、死ぬまで一緒に添い遂げることのほうが苦痛になってしまう場合もあります。
今や2分4秒に1組の夫婦が離婚しているとまで言われ、離婚自体めずらしいものではなくなりました。一緒にいる苦しさより解放される気楽さをとったところで、それを「逃げ」だなんて思う人間も、責める人間も、数年前と比べてだいぶ減少しました。
とはいえ、結婚と同様に離婚も人生においては大きなイベントです。「離婚したい」と考えるのと、実際に離婚に踏み切るのとではわけが違います。今回は、「離婚した多くの人は何が理由で離婚に至ったのか」を主に取り上げ、「離婚したい人が離婚するためにすべきこと」についても解説していきたいと思います。
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離婚の理由トップ9
まずは離婚の理由を司法統計を参考に、紹介します。
性格の不一致
性格の不一致という理由は離婚原因として上位を占めていますが、これはよほどのことがない限り有責行為の判断が困難なため、慰謝料の対象にはなりません。また、実際の原因は不倫であっても、世間体を気にしてその事実を公表したくないために、公の理由を性格の不一致として離婚する夫婦も多くいます。
肉体的虐待
DV(ドメスティック・バイオレンス)とも呼ばれていますが、常に暴力的であるわけではなく、興奮した際に突発的に手が出てしまうというケースが多くあります。これが繰り返されるたびに暴力性が増していき、身の危険を感じるまでに悪化することもあります。
暴力をふるう側は、暴力も愛情表現の一つであるという価値観を持っており、それこそ離婚問題に発展するなど何かのきっかけがなければ自覚を持つことは難しいと言えます。
浪費癖・借金
いざ結婚してみたら実は借金があった、趣味の車やブランドに投資し過ぎる、生活よりも美容にかける金額のほうが高額であるなど、共に生活をしていく上で許容できないほどの金銭問題を抱えた場合に離婚に至るケースもあります。
確かに、改善しようとしても浪費癖がなおらなかったり、どうしようもないほどの多額の借金を抱えていたりする場合は、将来的なことを考えて離婚を選択するのも賢明な判断だと言えます。本人に愛想が尽きたわけでなければ、金銭トラブルが解決してから再婚した事例も多数あります。
精神的虐待
肉体的な暴力ではなく、以下のように精神的な暴力をふるうことを「モラル・ハラスメント(モラハラ)」と言います。
・相手が傷つく言葉を意図的に言う
・相手の目の前で物にあたって怒りを表現する
・意図的に無視を行う
肉体的な暴力は、傷やアザになった場合は暴力を受けた証拠として提示することが出来ますが、モラハラの場合は証拠を掴むことが非常に困難であり厄介です。また、モラハラをする側も受ける側も自覚が生まれにくく、特にモラハラを受けた側は自分を責めやすく、改善がなされないことで精神を壊してしまうこともあります。
不倫
インターネットやスマートフォンの普及や情報通信技術の発達によって男女の出会いの場が増え、双方が遠距離であっても手軽に連絡が取り合えるようになってきたことも、不倫離婚が増えた理由の一つです。まさに今の世の中は、不倫を行う上で絶好の環境が整っている状態であると言っても過言ではありません。
参考:「不倫離婚|不倫の果ての離婚で幸せになれる人なれない人」
参考:「不倫のきっかけ11パターン|不倫に至るまでの過程と対処法」
性的不調和
セックスにおける価値観が合わないことも離婚理由のひとつとして上位にあります。「セックスレス」と言ったりもしますが、このセックスレスの定義は日本性科学会によれば、同居している、または頻繁に会っているのに、病気など特別な事情がないのに、1ヶ月以上性交渉がないカップルとされています。
欧米と比較すると、日本ではこのセックスレスを理由に離婚に至る夫婦が非常に多い傾向にあります。
参考:「セックスレスは浮気の前兆|セックスレス夫婦の危機と解消法」
家族・親族と折り合いが悪い
結婚するということは、パートナーの家族や親せきとも運命共同体になるということです。しかし、折り合いが悪く、イライラした生活がずっと続くと、果てはパートナーと結婚したことを後悔するようになることもあります。これが結果的に、相手の家族から逃れたい=離婚したいという結論に至ってしまいます。
同居問題
好きだから一緒にいたい、けれどもそのために相手の実家に入ることが納得できない、という場合に離婚を選択する夫婦もいます。また、同居してみたものの、義母が何かにつけて口を出してきたり、義父が無理に家業を継がせようとしてきたりといったことが原因で不快な感情が増幅され、毎日同じ空気を吸うことに耐えられなくなって離婚に至ることもあります。
逆に、同居環境が良好である場合は、仮に配偶者と口喧嘩などでもめた場合であっても、離婚にまで発展してしまうケースは少ないと言えるでしょう。
不妊
近年、女性の働く権利が主張される、政府や企業が雇用に力を入れるなどの理由から、結婚を遅らせるカップルが日本では増加傾向にありますが、あまりにも出産に至るまでに時間がかかってしまうと、不妊という問題と向き合わなくてはならないこともあります。
不妊治療には当然お金がかかり、その治療法が夫婦を精神的に追い詰めることがあります。「子供が出来ないのは自分ではなく相手のせいだ」という感情や、逆に「自分のせいで子供が出来なくて申し訳ない」という感情が芽生えてしまうこともあり、治療が長引くにつれて夫婦間に溝を作ってしまいます。
配偶者が離婚を拒んだ時でも法律で離婚が認められる理由5つ
日本の場合では、夫婦関係の破たんを問題にする破たん主義より、夫婦関係を破たんさせた責任を問う有責主義に重点を置いているために、離婚したい理由が以下の『民法が定める5つの離婚理由』に該当しなければ、離婚判決には至りません。
1:不貞行為がある
浮気、不倫など配偶者以外の異性と性的関係を持つことを示します。尚、オーラルセックスなど、性交渉に類似する行為を行った場合も不貞行為とみなされます。
参考:「不貞行為とは?その定義とは?|浮気調査の豆知識」
2:悪意の遺棄がある
悪意を持って同居しなかったり、生活費を渡さなかったりすることを示します。民法には「夫婦は同居し、お互いに協力、扶助し合わなければならない」とありますが、悪意の遺棄とはこういった協力義務を不当に放棄すること全般を言います。したがって、合意による別居は悪意の遺棄にはあたりません。
3:3年以上生死不明である
失踪や家出などが原因で音信不通になり、捜索を行っても3年以上生死が不明なことを示します。起算点は最後の連絡があった日と定められているので、行方はわからなくても定期的に連絡が来るような場合は、このケースには該当しません。
4:回復の見込みがない精神病である
うつ病や多重人格障害など、回復の見込みのない精神疾患を患い、夫婦の協力義務が果たせなくなることを示します。あくまでも、離婚に至るまでに献身的な看護を尽くした上で、それでも病気が回復しないというケースのみ、離婚が認められます。
痴呆症やアルツハイマー、ヒステリーなどは、それによる暴力やモラハラなどの行動がみられなければ、このケースには該当しません。
5:婚姻を継続しがたい重大な事由がある
婚姻を継続しがたい重大な事由とは、暴力、セックスレス、親族との不和などが原因で、夫婦関係が破たんしていることを示します。幅広い解釈が出来るために、どのケースが5に該当するかは個人によって差があります。
決定的な理由がなくても離婚は出来る
特にこれといった離婚の理由はなくても、例えば「何となく嫌になったから」という理由で離婚はできるでしょうか?そんな疑問の解消のため、ここでは法律で定められている離婚事由に該当しない場合であっても離婚できるケースをご紹介していきます。
お互いの合意があれば離婚が可能になる
以下のような理由であっても、お互いに合意の上での協議離婚ならば、離婚は可能です。この場合、性格の不一致という理由で片付けられるので何とも便利な言葉です。
・何となく楽しくないから
・予想していた結婚生活と違っていたから
・一人のほうが楽だと感じたから
・第三者から「別れたら?」とすすめられたから
しかし、どちらにも非がない以上、一方から一方への慰謝料請求から認められることはまずありません。請求された側も「自分に非がないのにどうして支払わなければならないのだ」という考えを持つでしょうし、その場合しなくてもいい争いをすることにも繋がり兼ねません。協議離婚に関する詳細に関しては「離婚の方法3つ」の項目で詳細を解説します。
別居期間があれば離婚事由に該当し離婚が可能になる
離婚したい理由が「何となく」の場合は、法の定める離婚事由に該当しないために、例え裁判を起こしたとしても難しいということは述べた通りです。しかし例外として、5~10年の一定の別居期間があれば夫婦関係が破たんしているとみなされ、それが離婚事由の一つである「婚姻を継続し難い事由」に該当し、離婚が可能になるケースがあります。
(参考:「別居は離婚への近道|別居から離婚する5つのメリットと注意点」)
離婚したいけど出来ない理由4つ
「離婚したい!」そう思っても、主に以下のような理由で離婚に踏み切れない人が多くいます。
配偶者が離婚に応じないから
現在の日本の法律では、離婚の原因を作った側と、離婚の原因を作られた側であれば、離婚の原因を作られた側の主張が認められる傾向にあります。したがって、例えば自分が浮気をして離婚の原因を作っておきながら「離婚したい」と主張しても、浮気をされた側のパートナーが「離婚をしたくない」という主張をしたら、その主張が認められるということになります。
経済的な不安があるから
離婚後に一人で家族を養っていくのは困難、または、慰謝料や養育費の支払いが困難であるという場合、離婚後に経済面で幸せになれる保障がどこにもありません。特に長年専業主婦であった場合、年齢やもともとのビジネススキルにもよりますが、離婚後に雇い先を見つけることは相当困難であることが予想されます。
そのためどれだけパートナーに嫌気がさしていても、衣食住に苦労して生活することを天秤にかけた結果、我慢して一緒に暮らしているという人は少なくありません。
世間体が気になるから
結婚も離婚も、当人だけの問題ではありません。一度家族になる誓いを交わしておきながら、離れる選択を取るということは、二人の関係を祝福してくれた人や、キューピッドになってくれた人、その他に関わりを持ってくれた人への裏切り行為であると考える人もいます。
そのため、離婚したという事実に対して周囲からどう思われるのかという点を気にして離婚に踏み切れないという人もいます。両親が年配の場合は「誰が将来的に自分の面倒をみてくれるのか」と心配されたり、職場では離婚したという事実が社内評価に影響したりすることも全くないわけではありません。
子供のためであるから
離婚の際、パートナーが親権を得たら当然子供と一緒には暮らせませんし、定期的に会うことに関しても制約がかかるケースがあります。子供が会うことを望んでいれば問題なく会うことが出来ますが、親権を得られないということは、例え血が繋がっていたとしても法律上は他人となります。
本当に離婚したい人がすべきこと
現実的に離婚を考えている人がどのような行動に出ればいいのかを解説していきましょう。
浮気されている証拠を掴む
もしパートナーの浮気が原因で離婚したい場合は、パートナーと浮気相手が肉体関係を持ったことを証明する証拠の入手を行うことが大前提です。そして証拠とともに”自分が受けた苦痛の度合い”を証明することで、パートナーが側が離婚の原因を作った有責者だと法的にみなされます。その結果、離婚したいという主張も離婚裁判で認められ、慰謝料請求も可能になります。
浮気の証拠に関する詳細は、こちらの記事「浮気の証拠|やり直しでも離婚でも使える3つの証拠と集め方」を参考にして下さい。
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別居をする
長期に渡って別居状態にある場合、「夫婦関係は破綻している」とみなされ、これが「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する場合があります。この別居を利用して、調停の準備を進めたり、離婚後の資金を貯める人もいます。
離婚後も生活していけるだけの経済的な余裕を作る
一人で生活をする、またはシングルマザーとして子供を育てていくには、経済的にある程度余裕があることが最低条件になります。経済的に困窮しそうだと予想できる場合は、離婚する前により待遇のいい職場を見つけたり、副業を増やしたりして離婚後に安心して生活していくための準備を整えておくべきでしょう。
子供の理解を得る
子供が物心ついてから離婚に至ると、少なからず子供心にトラウマをのこしてしまうことになります。また、子供が事態を理解できない年齢で離婚してしまったときであっても、後々になって「自分にはなぜ父親(または母親)がいないのか」について、納得できる答えが必要になります。
離婚をなかったことには出来ませんので、離婚をする旨、もしくは離婚した事実と状況についてはきちんと伝える覚悟をしておくべきでしょう。
離婚の方法4つ
離婚するには大きく分けて「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4つの方法があります。いずれも最終的には離婚届を提出して受理されなければ離婚成立とはなりません。
①協議離婚
夫婦で話し合いの末に離婚に合意することを言います。最も一般的な離婚方法で、日本では90%が協議離婚となっています。他の裁判上の離婚とは違い裁判所は関与しないので、離婚の理由や事情は関係ありません。
協議離婚の手続き
離婚届を本籍地・住所地の市区町村役場に提出・受理することによって離婚が成立します。証人は成人であれば、資格制限もなく誰でも構いません。
②調停離婚
離婚をしたい夫婦のどちらかが申立人となって行われる、家庭裁判所の調停によって離婚する方法です。調停委員が夫婦双方の言い分を聞き、離婚条件の合意も含めて調停します。強制ではないので話し合いが決裂すれば不調に終わります。
調停離婚の手続き
話し合いのもと合意が出来たら、調停調書が作成され、離婚が成立します。
③審判離婚
家庭裁判所での調停が何度も行われたにも関わらず、夫婦が合意に至らない場合や、夫婦のどちらかが出頭義務に応じない場合に、家庭裁判所側が離婚をさせた方が双方のためになると独自に判断した場合は、離婚の処分をすることができます。しかし審判離婚は2週間以内に当事者から異議申し立てがあった場合は審判の効力を失います。
調停で話しがまとまらない場合は裁判を行うか一度離婚を断念するケースが多く、この制度は現在あまり利用されてはいません。
④裁判離婚
①~③の方法で離婚できなかった場合、夫婦の一方から家庭裁判所に離婚訴訟を起こせますが、民法の定める離婚原因が必要です。裁判では証拠調べや尋問などが行われ、出された判決に不服申し立てがなければ判決が確定します。
和解離婚
離婚裁判の途中で裁判所から和解をすすめられ、双方が歩み寄って合意に達し、離婚する方法です。
認諾離婚
離婚裁判の判決の途中で、訴訟を起こされた側が訴訟を起こした側の請求を全面的に認めて離婚する方法です。
離婚したいのに離婚理由が見当たらない・離婚事由に該当しない時の相談先
ここでは、離婚をしたくても法的に不可能な時や、離婚のために乗り越えなければならない壁がある時など、後悔しない離婚のために味方になってくれる第三者を紹介していきます。
両親や知人
自分のことをよく知ってくれていて、信頼できる第三者に相談をしてみましょう。自分の性格に合った適格なアドバイスが受けられるかもしれません。身近で離婚経験者がいれば体験談を聞いてみるのも良い手です。現実的な話が聞け、何より相談料がかかりません。
しかし、法的な効力を持っているわけではなく、第三者だからこそ当事者同士の問題への介入ができないため、相談をして一時的に心が軽くなっても、直接的な解決には至りません。
探偵
様々な証拠を取るのが専門になります。勿論法律の知識もあるので、単に証拠を取るだけでなく、法的な手続きを取っていく上で有益な証拠になり得るか否かの判断能力もあります。また、交渉術をレクチャーしてくれたり、カウンセリングサービスが充実したりしている探偵事務所もあります。
浮気調査専門の探偵 |
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弁護士
探偵が掴んだ証拠をもとに離婚における交渉をしていくのが弁護士の仕事です。法に関わる全般の業務を行うことが出来ます。離婚の分野に特化した弁護士に相談をすることで法的な解決策を得ることが出来、依頼を行えば自分の主張も通りやすくなります。まずは無料相談サービスを利用してみることをおすすめします。
カウンセラー
プロのカウンセラーに相談をすることで、根本的な解決には至らずとも精神的な負担は軽減されるでしょう。ベストな解決策を考える前に、まず自身の精神状態と向き合っているのも有効です。
参考:
「離婚カウンセラーができる事と離婚カウンセラーへの相談事例」
「夫婦カウンセリングで夫婦が円満になる理由と過程」
まとめ
本記事では離婚に至る決定的な理由についてまとめましたが、いかがだったでしょうか?記載したような決定的な理由がなくても、お互いが合意の上ならば離婚は可能です。離婚したい人にとっても、離婚したくない人にとっても、本記事に記載の知識がお役に立てれば幸いです。
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