離婚を回避するには、パートナーの「離婚したい」という気持ちを覆すだけの根気と、様々な制度を活用するための知識が必要です。
また、当然ですが離婚を回避したいのであれば離婚届にサインをするのはNGです。よって、どれだけ離婚を迫られても頑なに拒否する強い心も重要になってきます。
本記事にはあらゆる離婚回避法をまとめましたので、夫婦関係を修復したい、そのために自分自身が変わる努力を惜しまない人という方にぜひ参考にしてもらいたいと思います。
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制度を活用した離婚回避法3つ
ここでは、公的な制度を活用した離婚回避法をご紹介します。
離婚届不受理申出を提出する
離婚届を偽造して提出するのは犯罪ですが、相手のサインと捺印をして勝手に提出したケースが過去にないわけではありません。実は困ったことに、例えこのような偽造された離婚届であっても書類上の不備がなければ正式に受理され離婚が成立してしまいます。
こうした事態を防ぐために、離婚届不受理申出があるのをご存知でしょうか。これはその名の通り離婚届の受理をさせないための申し出です。提出に費用はかかりませんから、パートナーが離婚したいあまりに勝手に離婚届を出してしまうかもしれないという方は、念のためにあらかじめ離婚届不受理申出を市区役所に提出しておくことをおすすめします。
円満調停を行う
家庭裁判所では、離婚調停だけでなく、夫婦関係の修復を目的とした円満調停も行っています。これは調停委員と呼ばれる仲裁役が夫婦双方に質問をしながら意見を聞き、修復のための妥協案や取り決めなどをアドバイスしてくれます。
- なぜ夫婦仲がこじれたのか?
- 現在パートナーに対してどんな不満があるか?
- どうすれば譲歩できるのか?
- 自分自身は今後どうしたいのか?
主に上記について夫婦個別に質問されてから三者間の話し合いに移りますので、こうした質問には事前に答えられるようにしておきましょう。また、この円満調停の申立には収入印紙代(1,200円)と予納郵便切手(約820円)と戸籍謄本と申立書が必要になります。申立書が書けたら、パートナーの住所地を管轄している家庭裁判所に提出しましょう。
必ず同居しておく
パートナーから「頭を冷やすためにもいったん別居しよう」などと提案されても、絶対に応じないようにして下さい。実は別居をしてしまうと、離婚裁判に持ち込まれた際に「すでに夫婦関係が破たんしていたもの」とみなされやすくなり、それにより離婚が認められてしまうリスクがあります。
また、別居期間中にパートナーが着々と離婚のための手続きを進めてしまう可能性も考えられます。これによりある日突然、離婚調停の申し込みが届いてしまうかもしれません。もしも致し方なく別居をする際には、「夫婦関係の破たんによる別居ではない」旨を書面にしてサインをさせた上で行うことをおすすめします。
【関連記事】離婚前に別居する5つのメリット|別居を検討すべきケースと注意点
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心理学を応用した離婚回避法5つ
ここでは、心理学を応用した離婚回避法をご紹介します。
緊張感のあるスポットに出かける
離婚を回避するには、パートナーとの心の距離を縮め、親密になったり、理解を深めたりする必要があります。そのためには、夫婦そろって“恐怖や不安などの緊張感を得られるスポット”に出向くのがおすすめです。
人間は、恐怖や不安にさらされた時に無意識的に「誰かを守りたい」「誰かに助けてほしい」という気持ちが生じ、それがその場にいる人間に対して向けられます。また、強い恐怖を感じるとそれを性的な興奮と錯覚してしまうことがあります。
これまであなたに対していい印象を抱いていなかったとしても、こうした経験がきっかけでガラッと印象が変わる可能性があります。緊張感のあるスポットとして手軽なのは遊園地のお化け屋敷や絶叫系アトラクションですが、その他にも、一緒にホラー系の映画を一緒に見たり、行ったこともない土地に一緒に出かけてみるのもいいかもしれませんね。
スキンシップを増やす
アイドルや選挙の候補者がファンや支持者と熱心に握手している光景を見たことがある人は多いかもしれませんが、実はこれはとても理にかなっている“お願い行動”なのです。というのも、人間は触れ合いの頻度によって相手への好感度が上下します。
もちろん必要以上にベタベタと触れるのは厳禁ですが、そっとボディタッチをしたり、タッチをしなくても接近する回数を増やすだけで、自分に対していいイメージを持ってもらいやすくなります。
生活空間を変える
マンネリ(マンネリズムの略で、同じ状態が続くことで新鮮さを失い、倦怠感が生まれてしまうこと)状態では、妥協したり譲歩をしたりといった思いやりからの行動ができなくなってしまいます。
こうしたマンネリを解消するには、パートナーと同居をしている前提になりますが、模様替えをしたり、思い切って引っ越しをして生活空間を変えるのがおすすめです。これにより脳が新しい動きをすることができるようになり、あなたを思いやる気持ちや大切にする気持ちが生まれやすくなります。
手紙でやりとりをする
自分がどれだけ離婚を回避したいのか、つまりパートナーと一緒に過ごすことが今後の人生でいかに重要なことなのかを、手紙にしたためてみるのも良い手段です。一度書いた手紙の文面は、しっかりと見直してください。そうすることで自分の気持ちをあらためて整理できたり、手紙を受け取ったパートナーの気持ちを客観的に捉えたりすることができます。
パートナーも感情的な言葉をそのまま聞かされるよりも手紙で真剣な気持ちを受け取ったほうが素直に受け入れることができるはずですから、「離婚したい」という気持ちが心変わりするきっかけになります。
ポジティブな言葉を使用する
自分は離婚したくないのにパートナーからは毎日「離婚したい」の一点張り。これでは落ち込んでどうにも元気になれません。考え方が後ろ向きになり、口に出す言葉も「もう無理」「どうしてこんな風になっちゃったんだろう」などマイナスなものが目立ちます。
しかしこんな時にこそ、無理にでもポジティブな言葉を使うようにしてみて下さい。「きっと大丈夫」「いつか笑って暮らせるようになるはず」「新婚の時の夫婦に戻れるはず」。
ネガティブな自分を元気づけるためにはわざと元気に振る舞い明るい言葉を口にするのが一番だということを多くの心理学者が証明していますし、少しずつ気分が晴れて、本当に前向きな気持ちになり、生き生きとしてくるはずです。
これが離婚を回避することに直接関係するわけではありませんが、あなたの精神状態が安定していることによってパートナーの精神状態にも必ずプラスの影響を与え、離婚を回避することに繋がるはずです。
第三者を利用した離婚回避法5つ
ここでは、第三者のサポ―トによる離婚回避法をご紹介します。
子供を味方につける
子供がいる場合は、子供に「お父さんとお母さんは一緒にいてほしい」という感情を強く持ってもらうことで、離婚を回避できることがあります。わざわざ植え付けようとしなくても子供はもともとこんな気持ちを持っているかもしれませんが、やはり子は「かすがい(かすがい=木材同士をつなぎ合わせるもの)」と言われるだけあって、例え夫婦関係は冷え切ってしまったとしても子供のために離婚はしないという夫婦は多いのです。
両親を味方につける
自分の両親もそうですが、パートナーの両親を「離婚反対派」」として味方につけておくことも重要です。年老いた両親の場合は特に「いずれは老後の面倒をみてもらいたい」という気持ちもあり、子供夫婦の離婚にはどちらかと言えば否定的なはずです。いざとなったら両親にも離婚しないことの重要性を主張してもらいましょう。
カウンセラーからのアドバイスを受ける
離婚トラブルの専門家から夫婦の状態についてアドバイスをもらうのも良いでしょう。費用は自己負担になりますが、今までずっと正しいと思っていたことが間違っていると気がつけたり、今までまったく思いつきもしなかった解決方法が見つかったりというメリットがあります。
【関連記事】夫婦カウンセリングのメリットと料金相場|お悩み例・解決例まとめ
弁護士に仲裁に入ってもらう
法的に解決したい時には、離婚問題の解決が得意な弁護士のサポートを受けるのが良いでしょう。特に自分には非がないのに一方的に離婚を押し進められそうなときには、こうした法のプロによるサポートは必要不可欠です。多くの弁護士事務所が無料相談を実施しているので、上手に活用してみましょう。
探偵の浮気調査で自分が有利になれる証拠を掴む
もしもパートナーの離婚したい理由が「浮気相手に対して本気になってしまったため」であるなら、探偵の浮気調査により浮気の証拠を掴むことであなたは離婚を回避することができます。
なぜなら、結婚しているにも関わらず浮気によって浮気相手と肉体関係を持ってしまった場合は、『民法が定める5つの離婚事由』の「配偶者に不貞な行為があったとき」に該当し、法的には浮気をした側に非があると判断され、「離婚したい」という主張は認められなくなるからです。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
(引用元:民法770条)
法律は、悪いことをした人の主張を通さず傷つけられた人間が救われるように作られています。つまり、あなたが浮気によって傷つけられた側だとしたら、浮気があったという事実を証明することによって「離婚をしたくない」という主張を通すことができるのです。
逆に言えば、浮気の証拠がまったくなければいくらでも言い逃れされてしまいますし、浮気を隠しながら「価値観の違い」などを理由に、あたかもあなたにも責任があるような主張をされ、いいように離婚を押し進められてしまう可能性もあります。
法的に有力な証拠
浮気を立証したい場合、具体的には以下の証拠を得る必要があります。
- ・浮気相手と3回以上ラブホテルに出入りしていることがわかる写真、動画
- ・浮気相手とラブホテルで40分以上滞在していることがわかる写真、動画
- ・浮気相手宅へ5回以上出入りしていることがわかる写真、動画
浮気の証拠に関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】浮気(不倫)の証拠とは?慰謝料請求&離婚回避のための証拠の集め方
パートナーの浮気の証拠を掴みたい方
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離婚を回避するための注意点
「離婚したい」人と「離婚したくない」人では、話し合いで解決しようと思ってもかなりの長期戦になることが予想されます。感情的になることもあるかもしれませんが、くれぐれも暴言や暴力はNGです。例えばあなたがあまりにも頭にきてパートナーの頬を叩いてしまったとしましょう。
もしこの決定的瞬間をパートナーが写真や動画などで記録した場合、あなたのDVやモラハラを理由に離婚を主張され、あなたの立場が不利になってしまいます。中には、あなたが不利になる行動を起こすようにわざと逆上させにくるケースもあります。決して冷静さを欠くことなく、着実にひとつひとつの課題をクリアしていきましょう。
【関連記事】
【離婚したくない人必見】離婚危機の解決法とやってはいけないNG行為
妻と離婚したくない夫が離婚回避のためにやるべき3つのこととNG行為
まとめ
パートナーとの離婚を回避したい方向けの今回の記事はいかがだったでしょうか。離婚は結婚の何倍ものエネルギーがかかりますから、決着までに心にかなりの負担がかかることが予想されます。一刻も早くに夫婦両者が納得いく最良の形で解決するよう、本記事や、以下の関連記事に書かれている知識を参考にしてみてください。
【関連記事】
夫婦のすれ違いの原因と改善策|すれ違いが招くリスク
仮面夫婦の特徴7つ|仮面夫婦になってしまう原因と続けるデメリット
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