離婚の仕方ひとつで、あなたが得することもあれば、損することもあります
離婚するにあたり、生活費のこと・子供のこと・住まいのことなどについて決めていかなければなりませんが、パートナーよりも優位な立場で進めていくには、一体どうしたらいいのでしょうか。
また、それを一刻も早くに実現するには、一体どうしたらいいのでしょうか。
これからのことを考えて、悩みに悩んだ末に決意した離婚。それなら、絶対に後悔はしたくないですよね…。
でも、そもそも何から手をつければいいのかわからない…
離婚の話がまったく進展しない…
このような方も多いと思いますので、この記事では、『賢い離婚の仕方』をテーマに、
- 離婚前から考えておくべきこと
- 離婚の方法
- 相手が離婚を拒否している場合の対処法
などについてご紹介します。
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賢い離婚の仕方|離婚前から考えておくべき5つのこと
離婚準備をしっかりしないで離婚してしまうと離婚後に、精神面・経済面で困ってしまうことも少なくありません。ここでは後悔しないために予め考えておくべきことをまとめました。
1:離婚後の生活について考えておく
離婚後に関する以下のポイントについて考えておきましょう。
- 今後住む場所
- 自立方法(生活保護を受けるか就職するか)
- 引っ越し(する場合)の日程や費用
- 親権がある場合は子供の預け先 など
親や友人にお世話になる場合は予めしっかりお願いして、離婚後の生活をスムーズに行えるように整えておく必要があります。
また、離婚後に受けられる国の助成金や保護制度もしっかり確認しておきましょう。
【関連記事】
離活とは|正しい準備で絶対に後悔しない離婚を実現させるための知識
離婚の準備|最高の離婚のためにあなたがすべき7つのこと
浮気を理由に離婚すべきか?|絶対に後悔しないために知っておくべきこと
2:離婚の理由について考えておく
裁判では、以下のような理由でなければ離婚を認めてもらえません。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
(引用:民法第770条)
「その他婚姻を継続し難い重大な事由」とは以下のようなケースです。
- 暴力・侮辱・虐待
- 同性愛・性的不能
- 配偶者の親族との不和
- 過度な宗教活動
- 犯罪行為による服役
- 金銭問題
- 長期の別居
離婚するには、こうした理由から婚姻関係を続けることが難しいということを証明しなければいけません。
どのような証拠を集めればいいのかわからない場合は、離婚問題に注力している弁護士への相談をおすすめします。
3:慰謝料請求について考えておく
慰謝料は以下のような不法行為があった場合のみ請求できます。
- 不貞行為(不倫):100万円~500万円
- 悪意の遺棄:50万円~300万円
- DV・モラハラ:50万円~500万円
- セックスレス:0円~100万円
(参考:離婚の慰謝料の相場|ケース別の慰謝料相場一覧)
慰謝料の請求金額はこちらで決められますが、高額すぎる場合には支払いを拒否されたりトラブルに発展したりする可能性が高いでしょう。
支払いをスムーズに進める場合やトラブルを回避したい場合は、慰謝料の相場・請求方法・請求後にトラブルが起きないようにするための対処法などについて、弁護士からアドバイスしてもらうのがおすすめです。
【関連記事】
離婚慰謝料の計算方法と高額請求を実現させる意外と知らない知識とは?
離婚慰謝料の無料相談先と慰謝料についてよくある相談
離婚慰謝料の時効|期間内に慰謝料が請求できないときの対処法
離婚慰謝料の分割を提案されたら絶対に覚えておいてほしい4つの注意点
4:財産分与について考えておく
財産分与とは、以下のような夫婦で築いた共同財産を分けることを言います。
- 現金:へそくりは対象から外される可能性がありますが、基本的に財産分与に含まれます。
- 不動産:相手名義だとしても共有の財産として財産分与の対象になります。
- 有価証券:夫婦で買った、家庭のためと買った株券などは財産分与の対象になります。
- 家具・家電:結婚後に購入した家具・家電は財産分与の対象に含まれます。
- 借金:住宅ローンや夫婦生活に必要として借りた借金が対象に含まれます
財産分与について夫婦で話し合う前に、そもそも夫婦にはどのくらいの共同財産があるのか確認しておきましょう。
相手の通帳や預金カードを持ち出せる場合は自分で調べられます。通帳を持ち出せない場合、弁護士の照会制度を利用することで財産調査ができます。
【関連記事】
離婚時の財産分与の分け方と財産分与を有利に進める方法まとめ
財産分与の際にかかる税金と5つの節税方法まとめ
5:どちらが親権者となるか考えておく
子供がいる場合は、どちらが親権を持つかについても考えておきましょう。その際のポイントは以下のとおりです。
- 子供が幸せを感じられるか
- 子供を養う経済力はあるか
- 子供のために割く時間があるか
- 自分以外に子供の世話を頼れる人はいるか
どちらが親権者となるかが決まったら、養育費の金額や支払い方法・面会交流の回数なども考えておきましょう。
【関連記事】
子供の親権を獲得したい方が離婚時に親権を勝ち取る為の6つのポイント
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離婚後の養育費の相場と養育費を増額させる効果的な方法
養育費の支払いに関する内容を公正証書にすべき理由
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離婚の方法は主に3つ|協議離婚・調停離婚・裁判離婚とは
離婚の仕方にもいろいろありますが、どのように離婚をするかで、その後の手続きや、離婚成立までにかかる時間が異なります。主な方法は以下の3つです。
- 協議離婚
- 調停離婚
- 裁判離婚
「一刻も早くに離婚したい」という方は、お互いの合意によって離婚が成立する「協議離婚」がもっともスピーディーです。
一方で、「どれだけ時間がかかってもいいから、納得いく金額が欲しい」という方は、「裁判離婚」までもつれ込む可能性があるでしょう。
それでは早速、一つひとつ見ていきましょう。
1:協議離婚
協議離婚は、夫婦間で話し合い離婚届にサインをして離婚をする方法で、例えば「なんとなく一緒にいたくなくなった」という理由でもお互いが合意すれば離婚が成立します。
もっとも一般的な離婚方法で、時間や場所を選ばず、費用も必要ありません。養育費・財産分与・慰謝料なども話し合いで決めますので、自分の主張に対し相手の合意があれば相場より高い金額をもらうことも可能です。
逆に言えば、相手が合意しない場合や言い負かされてしまった場合は少額しかもらえない可能性もあるということになります。
中には何も取り決めをせずに離婚する人もいますが、それでは金銭的にも大きな損をしていることになります。また、取り決めがないと後になって高額請求されるなどのトラブルになる可能性が高いです。
どのように取り決めればいいのかわからないという場合は離婚問題の解決に注力している弁護士に相談することをおすすめします。
また、取り決めは離婚協議書にまとめて公証役場に持って行き、公正証書にしてもらいましょう。公正証書にすると、例えば約束通り養育費が支払われない際に強制執行ができるなど、もしものトラブルが起きてしまった場合でも解決がしやすくなります。
「協議離婚」に関する記事 |
協議離婚とは|後悔しない進め方と離婚条件を有利に決めるポイント |
2:調停離婚
協議離婚で話がまとまらない・相手が取り合ってくれない場合には、家庭裁判所の調停室を利用して話し合いと合意によって離婚を成立させる調停離婚という方法があります。
話し合いといっても配偶者とではなく、調停員2名と裁判官1名に対して話をします。この3名が双方の話を聞き、お互いの事情をふまえた上で、妥協案や金額の相場などを提示してくれます。
DVを受けていたなど、相手に会いたくない事情がある人でも安心して利用できます。
「調停離婚」に関する記事 |
3:離婚裁判
調停は、お互い合意できず不成立になってしまう場合も少なくありません。そのような場合に、最終手段として離婚裁判を行います。
裁判で自分の主張を通すには、離婚する理由に沿った証拠(浮気現場を収めた写真・動画/DVで負ったけがの診断書など)をできるだけ集めましょう。これをもとに、法に従い判決が下されます。
裁判や調停で離婚が成立したら10日以内に離婚届けを役所に提出しましょう。提出されなかった場合は罰金となりますのでご注意ください。
「裁判離婚」に関する記事 |
証拠を入手したい場合は、探偵へ素行調査を依頼されるのをおすすめします。
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円満離婚するためのコツ
お互いに納得し、スムーズに離婚するためのコツは以下のとおりです。
- 離婚を切り出した後に、相手に考える時間を与える
- 子供の親権・養育費について話し合う
- 親権を持った方は面会交流を認める
- 財産分与について決めておく
- 住宅ローンの対応について決めておく
- 離婚について周囲に話さない
- 離婚届けを出す際に必要な証人を見つけておく
- 相手を急かさず、感情的にならない
- 夫・妻の嫌いなところを指摘しない
- 弁護士への相談・介入も視野に入れる
【参考】納得のいく円満離婚にする為に夫婦間で出来る15のポイント
離婚がなかなか決まらないとストレスになりますよね。しかし、自分がイライラしてしまうと相手も気分を悪くして、言い争いやトラブルに発展する可能性が高くなります。
自分の主張だけを通そうとすると平行線になりかねないので、“譲る”という心のゆとりを持って進めていくことが大切です。
離婚を拒否された場合の対処法
ここでは、離婚を拒否された場合にどのような対処ができるのかをご紹介します。
別居する
離婚を拒否された・そもそも話し合いを拒否された場合は、別居を検討しましょう。毎日会わずに済むのでストレスが軽減するほか、「早く離婚しなくては」という焦りも抑えられます。
また、別居が長く続けば、夫婦関係が破綻しているとみなされ、裁判で離婚を認められる可能性が高くなります。
なお、別居した際の経済面が不安に感じられる方もいるかもしれませんが、別居中も婚姻関係が続いているため、生活費は収入が多い方が支払うという義務があり、支払いを拒否された場合は「婚姻費用分担請求調停」を申し立てることが可能です。
何も言わずに出ていくと「悪意の遺棄」に該当し、慰謝料を請求できなくなってしまう可能性があるのでご注意ください。
早々に離婚調停をする
別居するのも面倒くさい、早々に離婚を成立させたいという場合は離婚調停を行いましょう。離婚調停で必ず離婚できるとは限りませんが、調停不成立の場合は離婚裁判ができます。
まとめ
離婚は手続きなどが多く、面倒くさいと感じられるかもしれませんが、しっかり取り決めを作ることで離婚後のトラブルの回避につながります。
離婚の手続きなどについて相談したい場合は離婚分野が得意な弁護士に相談し、浮気の証拠を集めたい場合は探偵に相談しましょう。
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