別れさせ屋は違法？合法？｜料金・別れさせ工作手順・問題点まとめ

注意点 『別れさせ屋』は、株式会社ジャパン・プライベート・サービスの商標登録です。 そのため本記事では、一般的に世間でイメージされている別れさせ屋を『別れさせ工作業者』と記載します。

誰だって、自身の愛する人の気持ちが自分以外に向けられるのは耐え難いものです。

そんな時、別れさせ工作業者に依頼できればどれほど楽でしょうか。

でもちょっと待ってください。

確かに別れさせるテクニックがピカイチの業者はあるかもしれません。

ただ、別れさせ工作業者は法律的にはグレーですし、倫理的におすすめできることではありません。

この記事では、別れさせ工作業者が合法か違法か、業務内容などをお伝えしたのちに、浮気問題の解決はなぜ探偵に依頼すべきか解説します。

現在、パートナーの浮気問題に悩んでいる方は参考にしてください。

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別れさせ工作業者は「人と人を別れさせる仕事」

別れさせ工作業者と一口に言っても、実態は様々です。ここではまず、「そもそも別れさせ工作業者とは何なのか？」という点について簡単にお伝えします。
 

「別れさせたい」というニーズに応えている業者である

別れさせ工作業者とは、読んで字の如く、ターゲットとターゲットを別れさせるべく工作を仕掛け、それを生業としている人のことです。
 
世の中には、夫の浮気をやめさせたいという人もいれば、自分自身が恋人と別れたいけれど別れを切り出せないという人もいれば、「あの人が恋人と別れてくれた方が私にチャンスがやってくる」「三角関係を終わりにしたい」「姑と別居したい」と考える人もいます。
 
別れさせ工作業者はこうした様々な「別れさせたい」というニーズを満たすために誕生しました。
 

別れさせ工作業者と探偵は別物

探偵事務所や興信所は男女トラブルを解消するために、不倫相手ときっぱり関係を絶ち、夫婦関係の修復を目的としたコンサルティングを行うことがありますが、実はこれが別れさせ工作業者の起源です。
 
しかし現在では、”人と人を別れさせることだけに注力した業者”が増加し、汚い手口も蔓延しているために、世間では「別れさせ工作業者」と聞いて悪いイメージをする人の方が多いでしょう。
 
現在、探偵事務所を名乗りながら違法な別れさせ工作をメインに行う業者がいるせいで、「探偵=別れさせ工作業者」と位置付けてしまう人もいるかもしれませんが、それは誤解で、多くの探偵事務所は別れさせ工作を行なってはいません。
 
法のもとに夫婦の絆を取り戻して再スタートを切れるようにするという探偵事務所のサービスが、「別れさせ工作業者」というネーミング一つでかなり印象の悪いものになってしまうのは問題ですね。
 

別れさせ工作業者は倫理的にはグレー

別れさせ工作業者は、倫理的にはグレーと言えるでしょう。「別れさせ工作の一般的な方法」でも詳しく説明しますが、別れさせ工作では、多くの場合ターゲットの心理に変化を意図的に与えます。これは「個人の自由意思による恋愛を阻害」してないと言い切れないのではないでしょうか。

 
しかし、2021年3月現在、別れさせ工作業者を規制する法律はありません。 ここでは、別れさせ工作業者が倫理的にはグレーであることについて解説します。

 

一般社団法人日本調査業協会では「別れさせ工作業者」を自主規制している

多くの別れさせ工作業者は、「探偵業の業務の適正化に関する法律」に基づき、届出を提出しています。これは別れさせ工作業者という特性上、特定の人物の調査を行なわなければならず、そのような身辺調査を行うには、探偵業の届出が必要になるからです。
 
そして、他の業界同様、探偵業界にも一般社団法人日本調査業協会という業界団体があります。同協会は内閣総理大臣の認可を受けており、警察庁を監督官庁としている法人です。
 
一般社団法人日本調査業界では、会員に教育研修会などを通じて探偵業務に関わる質や倫理の向上に努めており、「別れさせ工作」を規制しています。

 

裁判で倫理的に問題だと言及されている

別れさせ工作業者に関する過去の裁判において、大阪地方裁判所では、別れさせ工作業者に関し、次のように言及しています。
 

倫理的に非難される余地は十分にあり、契約が社会的に相当かどうかは慎重に検討すべきだ
【引用：産経WEST】

 
この裁判では、別れさせ工作業者を途中解約したいと思った女性が、別れさせ工作業者の業務は公序良俗に違反しており、民法90条を根拠に契約は無効であるとして、料金返還を主張しました。
 

（公序良俗）
第九十条　公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
【引用：民法第90条】

 
大阪地裁の判決としては、女性と別れさせ工作業者が結んだ個別の契約の内容を精査し、公序良俗に違反しないため、契約自体も有効として女性の訴えは棄却されましたが、別れさせ工作業者そのものに関しては上記の通り批判しました。
 

別れさせ工作業者の料金

別れさせ工作業社の料金体系や相場に関して気になる方も多いかと思いますので、こちらで解説します。
 

別れさせ工作業者の料金プラン

別れさせ工作業者にもよりますが、別れさせ工作業者の料金プランは、大きく分けて契約期間料金制と実働回数料金制の２つがあります。
 
契約期間料金制では、１ヵ月~３ヵ月など、別れさせ工作を行う期間を決め、それに応じて料金が決まる料金体系です。
 
契約期間料金制では、契約期間中に別れさせ工作をほとんど行わない場合も考えられます。実際にどれくらいの回数別れさせ工作を行うなどの取り決めや保証を契約時に確認しておきましょう。
 
実働回数料金制では、調査や別れさせ工作１回につき料金が決まっており、別れさせるまでに必要な回数によって料金が決まります。
 

その他のオプションによっても料金が変わる

別れさせ工作業者の料金はその他のオプションによっても変わります。主なオプションは「調査人数」と「報告内容」です。

調査員が１人よりも、２人、３人と人数が多い方が別れさせまでの期間が短くなったり、成功する確率が高くなったりすると考えられますが、その分料金も高くなります。

また、依頼者としては、別れさせ工作がどの段階まで進んでいるのか、成功しそうか否かを知りたいという方もいらっしゃるでしょう。そのような方のために別れさせ工作業者では途中報告を行なっています。

途中報告に関しても、文章だけの報告書の場合と写真付きの詳細なレポートでは料金が変わります。
 

別れさせ工作業者が実際に行う一般的な手口

ここでは、別れさせ工作業者が実際に行う「別れさせ方」を見ていきましょう。
 

その①事前調査

別れさせ工作業者に寄せられる依頼の多くは、「〇さんと〇さんと別れさせてほしい」というものです。
 
この別れさせ工作をする上で、事前の入念なシナリオ作りは欠かせません。その上で、ターゲットにまつわる以下の情報を依頼者からとことん調査しておきます。
 

• 外見や内面の好み
• 趣味や特技
• 出身
• 生活の範囲や遊ぶ範囲
• 友人の属性
• 職種や収入
• 性癖

その②工作プラン作成

ターゲットの調査後は、事務所内でどのような別れさせ工作を行うかのプランを作成します。
 
この時に、事前の調査内容に応じて、調査員を「恋人」「友人」などターゲットのどのような対象として出会わせるのか、また、調査員の職業・趣味・家族構成・性格などを決定します。
 
さらにターゲットとどのように接触するかも決定します。接触方法は、ターゲットの生活範囲や行動パターン、性格など様々なものが考慮されます。
 

その③工作活動

工作プランに応じて実際に別れさせ工作活動を行います。
 
別れさせ工作活動は主に以下のような流れで進みます。
 

• ターゲットと接触する
• ターゲットと連絡先を交換する
• 電話やメール、LINEなどを通じて信頼関係を構築する
• ターゲットの考え特に恋愛観や結婚観について聞き出す

 
そして、最終的には、別れなければならない状況を作り出します。
 
プランによっては、調査員とターゲットの不倫相手などと恋愛関係になることもありますし、ターゲットと友人関係になっていた場合には、別れる後押しを行います。
 

その④仕上げ活動

別れさせ工作が成功した後には、自然な形でターゲットと連絡を絶ちます。具体的には転職をして忙しくなったなどが挙げられます。
 

その⑤アフターフォロー

別れさせ工作が成功しても、依頼者とターゲットが長く関係を保てなければ本当の成功とは言えません。
 
別れさせ工作業者では、依頼者とターゲットが依頼後に長く関係が続くようにアドバイスを行うなどアフターフォローを行なっている場合もあります。
 

別れさせ工作業者が違法になる条件

そもそも別れさせ工作業者自体に違法性はないのか、気になる方もいらっしゃるかと思います。前述の通り、別れさせ工作業者自体は違法ではありません。
 
ただし、手段に問題があれば、別れさせ工作業者に限らず全ての業者が違法です。
 
ここではその違法となる条件について見ていきましょう。
 

探偵業の届出がなされていない

ターゲット同士を別れさせるにはターゲットの身辺調査が必要で、調査行為などの探偵業務を行うには、各都道府県の警察署公安委員会へ届出書を提出しなければなりません。
 

第四条　探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会（以下「公安委員会」という。）に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
【引用：探偵業の業務の最適化に関する法律第4条】

 
別れさせ工作を行う際に必ず身辺調査を行う必要はありませんが、工作を成功させるには少なからず身辺調査を行わなければならないと言えます。
 
そのため現実的には、別れさせ工作業者が探偵業の届出を提出していない場合には違法となる可能性が高いです。
 

法に触れる行為を行なっている

これは別れさせ工作業者に限ったことではありませんが、別れさせ工作の過程で法に触れる行為をした場合には、当然違法となります。
 
具体的には以下のような内容が法に触れる行為となります。
 

• 探偵業法に触れる行為
• ターゲットの動向調査のために盗聴する行為
• 人の敷地内に無断で入る行為
• 脅しまがいな行為

など
 

別れさせ工作業者と依頼者の間でよくあるトラブル例

別れさせ工作業者と依頼者との間でトラブルとなる場合もあります。
 
ここではよくあるトラブル例を紹介します。
 

契約内容と実際の別れさせ工作に違いがあるケース

契約時に説明のあった通りの方法や、決められた回数分の別れさせ工作を行わない、途中経過の報告を適切に行わないなど、契約内容と実際の別れさせ工作に違いがあるケースがあります。
 
上記のような業者は別れさせ工作をそもそも行う気がないため、着手金を支払っても何の成果も得ることができません。
 

工作開始後に追加料金を請求されるケース

工作開始後に、調査員を追加する必要がある、報告書は別料金である、調査員の交通費などを名目として追加料金を請求されるケースもあります。
 
探偵業の業務の適正化に関する法律では、契約時に説明した以上の料金は請求できないため、法律違反となります。
【参考：探偵業の業務の適正化に関する法律】
 

料金を支払ったのに実際には別れさせ工作を行わず連絡が取れないケース

料金を支払ったのに別れさせ工作を行わない業者は、単なる詐欺です。このようなケースに巻き込まれてしまった場合には、早急に弁護士などに依頼し、料金返還などの手続を依頼すべきかと思います。
 

別れさせ工作業者を選ぶ際の注意点

別れさせ工作業者には、悪徳な場合があることも否めません。ここでは、悪徳業者に依頼しないように、別れさせ工作業者を選ぶ際の注意点について記載します。
 

名簿や届出が営業所にあるかを確認する

探偵業の業務の適正化に関する法律では、以下のような規定があります。
 

第十二条　
探偵業者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、使用人その他の従業者の名簿を備えて、必要な事項を記載しなければならない。
２　探偵業者は、第四条第三項の書面を営業所の見やすい場所に掲示しなければならない。
【引用：探偵業の業務の適正化に関する法律第12条】

 
実際に営業所に行った際には、従業者名簿があるかの確認や、届出が見やすいところに掲載されているかの確認を行いましょう。
 

他社と料金相場が格段に違わないか確認する

他社と比べて料金相場が圧倒的に安い、もしくは高い場合にも、悪徳な業者である可能性が高いと言えます。圧倒的に安い場合には、別れさせ工作が成功した場合には、別料金で高額な成功報酬を請求されかねません。
 
圧倒的に高い場合は、依頼者が相場を理解していないことを予想して、相場から離れた料金で契約をさせようとしている可能性があります。
 

契約を強要する業者には依頼しない

別れさせ工作業者では、事前の調査段階で依頼主の問題点や解決したい内容をヒアリングします。
 
この時、別れさせ工作を行なわずとも問題が解決するのであれば、一般的にはそのためのアドバイスを行います。
 
ヒアリングした結果、別れさせ工作のために契約を強要する業者は悪徳である可能性が高いです。
 

契約書を取り交わすか確認する

探偵業の業務の適正化に関する法律では、依頼者と契約を結んだ場合、契約内容を明らかにする書面を交付しなければならないこと、契約の重要事項について書面を交付し説明しなければならいことが規定されています。

【参考：探偵業の業務の適正化に関する法律第8条】
 
契約時に、契約書を取り交わさない、また重要事項について書面を用いての説明がない場合には、探偵業の業務の適正化に関する法律に違反しています。
 

疑問点は必ず質問する

別れさせ工作業者に依頼することは、人生においてそう何度もあることではないでしょう。そのため様々な疑問があるのではないでしょうか。正式に契約を結ぶ前には、疑問点は必ず質問しておきましょう。

《契約前に確認しておきたいこと》

• 別れさせ工作の成功確率はどれくらいか
• 別れさせ工作の期間はどれくらいか
• どのような方法で別れさせ工作を行うか
• 費用はどれくらいか
• 途中解約はできるか、またその時の費用はどの程度か

 

別れさせ工作の証拠は見せてもらえるか確認する

別れさせ工作は必ず成功するとも限りません。業者によっては契約を行なったものの着手金を請求しながら、実際には別れさせ工作を行わない場合もあります。
 
別れさせ工作を行なっている証拠として、映像・写真などを見せてもらえるか確認を行いましょう。
 

パートナーが浮気している場合は探偵への依頼が有効

正規の探偵は人と人を別れさせることを業務にはせず、合法的で“依頼者が幸せになれるように”という趣旨のケアやサービスを行なっています。以下ではそんな探偵がどのようにサポートを行なってくれるのかという点について見ていきましょう。
 

夫婦問題解決のためのコンサルティングが可能

前述の通り、別れさせ工作業者は倫理的な問題が指摘されています。ただし、浮気など夫婦問題を解決したい場合には、探偵に依頼することも可能です。

実際に探偵に浮気調査を依頼される人の約８割近くが、「もしパートナーが浮気をしていても別れたくない」という気持ちでいます。
【参考：探偵の探し方頼み方ガイド】
 
これだけの比率ですから、探偵も別れないで済むための方法については熟知しており、コンサルティングを希望する依頼者へは専門的なアドバイスをしてくれます。
 

証拠が掴めれば依頼者は自分の主張を通すことが可能

浮気が原因で別れるにせよ、別れないにせよ、慰謝料を請求するにせよ、浮気の決定的な証拠を掴んでいる側が有利になります。仮にパートナーの気持ちが浮気相手に向かっている場合であっても、配偶者が「離婚はしたくない」と強く望めば、その主張は認められます。また、浮気相手に対して「二度とうちのパートナーに近づかないでください」と主張することも可能になります。

【参考：「浮気(不倫)の証拠とは？慰謝料請求＆離婚回避のための証拠の集め方」】
 

優良探偵事務所ならば詐欺被害に遭うリスクや損するリスクがない

探偵業法に基づき依頼者の気持ちを考えて業務を遂行している探偵事務所ならば、まず詐欺に遭うことはありません。

また、調査費用が高額になる場合であれば、事前に説明を行なってくれます。特に費用を気にされる方は、まずは無料相談を活用して費用面について質問をしてみるのが良いでしょう。

 

「別れさせる」より「気持ちを取り戻す」ことが重要

自分の愛するパートナーが浮気をしてしまったら、その浮気相手とはどんな手を使ってでも別れさせたい！という気持ちは分からなくもありません。しかし、パートナーの心を自分自身に引きつけて離さなければ、パートナーも浮気に走ることはないでしょうし、万が一浮気をしてしまった場合でも、あなたのもとに戻ってきてくれるはずです。

そのためのアクションや心構えをまとめましたので、本記事の最後に見ていきましょう。
 

先走った行動に出ない

浮気だと思ったけれど、まったく見当違いだったというケースも少なくありません。浮気をしていないのに浮気を疑われ、思い込みで制裁や報復行為に出られた側は、それが原因で本当に愛が冷めてしまっても仕方がありません。脅しや罵声も逆効果です。

一番確実なのは探偵の浮気調査で真偽を確かめることですが、依頼しない場合でも、冷静に尋ねる、話し合いをするなどして、パートナーが本当に浮気をしているのかどうか？その真相をじっくり探って確かめることが先決です。
 

自分自身を磨く

自分のパートナーにはいつまでも若く美しく健康でいて欲しいものです。「自慢のパートナー」であり続けるために、自分自身の外見や内面を磨いて人間としても成長していくことを忘れてはいけません。

長く付き合うと恋人同士の緊張感が薄れてしまいがちですが、変わらず魅力がある人間のそばにはずっといたいと思うのが人間の心理というものです。
 

居心地の良さを追求する

二人で一緒にいる時の空気感が「楽しい」「落ち着く」と思えたら、そこに留まらない理由はありません。そう感じてもらうための秘訣は、日常生活の中でのちょっとした気配りの積み重ねと、少しの刺激です。

いくら長い関係とはいえ、パートナーのことを雑に扱ってしまっては同じことをされても文句は言えませんから、礼儀を忘れず、マンネリしないためのサプライズやイベントを企画しましょう。
 

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まとめ

「浮気=別れる（別れさせる）」という概念を一度取り払って、客観的に自分とパートナーの関係を見てみましょう。そうすることで、これから自分自身がどうすべきかが見えてくるはずです。それにより、「別れる」「別れさせる」以外のスペシャルな選択肢も見つかるかもしれません。くれぐれも、人の「別れさせたい」という怒りの感情に付け込んだ悪質なビジネスの手口に乗ってしまわないようにご注意くださいね。